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蝶ヶ岳登山 [山・風景]

蝶ヶ岳稜線
静寂の蝶ヶ岳テン場。二日目にようやくテントを張ることができました。今回は蝶ヶ岳登山顛末記です。分けるほどの内容では無いので、少し長くなりますが、よろしかったらお付き合いください^^

 
 
三股ゲート 登山指導所
お盆前の週で空いているとは思いましたが、下の臨時駐車場から歩くのは嫌なので、三股駐車場には夜半に到着し仮眠しました。4時半に起きるとしっかりと小雨が降っています、あぁ。夏山天気のピンポイント予報を確認し、予定より遅れて6時出発。ゲートを抜け林道をダラダラ800m歩くと、登山指導所に到着します。駐車場の標高は1280mなので、山頂(2677m)まで約1400mの標高差となります。徳沢なら1560m、横尾なら1620mからスタート出来ます。次回は上高地から入ります(キッパリ)



登山指導所窓口 常念岳分岐
登山指導所で、用意してきた登山計画書を提出。写真は帰りに撮りましたが、往きにはおじさんが計画書をチェックしていました。すぐに常念岳分岐に到着。常念岳・蝶ヶ岳を回り、三股に戻ってくるルートを取る人が多いようです。せっかく買っておいた熊鈴を忘れてきたので、ストックで音を立てながら人の気配を発します。単独登山はすべてが個人の責任、スリップして足をひねり行動できなくなったら、それはすなわち遭難です。熊さんに怯え、出くわした時のシミュレーションをしながら、転けないように慎重に歩を進めます



吊り橋 力水
吊り橋で本沢を渡ると、水場「力水」があります。2Lハイドレーションで背負っているので、あえて補給はせず、味わう程度で素通り・・・、あとで大泣きを見ます(^^;



木製ハシゴ 登山道
登山道は大半が樹林帯歩きです。木製ハシゴもいくつか出てきます。急登と緩斜面が混在し、ペースがつかみにくいコースなのだそうです。素人にはただきついだけで、ペースも何もありませんでした。湿度が高く、滝のような汗が流れ続けます



ゴイシシジミ
まめうち平への急坂が始まる手前にチョウチョがいろいろ居て、余裕をこいて追い掛けてしまいました。写真はゴイシシジミですが、ヒョウモン、ヒカゲの仲間が多くかなりの時間、道草を食ってしまいました。この道草のタイムロスも、あとで大泣きに繋がります(^^;



まめうち平 中間点
まめうち平に着く頃には、すっかりへばっていました。大休止をし食べるものを食べたら、止まりかけていた足がまた動くようになりました。まめうち平からは少しの間、緩斜面でのんびりできます。中間点を過ぎた頃に、ハイドレーションの出が悪くなってきました。

※ハイドレーションとは、ザックの中に水筒などを仕込み、そこからホースを延ばして給水するシステム。私はハイドラパック2Lを使用。スポーツドリンクなどを適当な間隔で3~4口ずつ吸うと、汗で失われた水分・ミネラルが常に補給され、身体の水分バランスが崩れない。休憩時に水を一気飲みすると、腸から水分を吸収しきれず尿になって出てしまう。ハイドレーションは口から入れた水分・ミネラルが無駄なく吸収される。女性もお花を摘みに行かなくても済むそうだ。ザックによっては残量がすぐに確認できないのが難点



蝶沢 最終ベンチ
さて蝶沢に到着。ハイドレーションがどうも空のようなので、水を補給することにしました。ここ蝶沢で水を汲んでいる記事をたくさん読んでいたのでホッと一安心。確かに岩の下には水が流れている音がかすかにします。伏流水になっているようで、10mほど登ると出ているらしいのです。プラティパス(折り畳み水筒)をポケットに入れ沢登り開始。10m、20m、30m・・・、おいてきたザックも登山道も遙か下に見えます。そして水は・・・かなり上まで登っても出ていません。時期ものの水場だったようです。ガッカリ・・・


まあ地図を見ても、等高線は混み合っていますが、残りの距離は短いので、何とかなるでしょう。しかし・・・蝶沢から先は、今までの登山道とはまったく違うものでした。ゴツゴツの岩が増えだし、登りにくいことこの上ありません。「悪路注意!」などという看板も出てきます。一段一段が高いので余分な力が掛かります。途端にペースダウン。その上雨まで降り始めました。幸い樹林帯なので、直接濡れることはありませんが、木の根も岩も滑ります。


旧ベンチを過ぎる頃に汗が出なくなり、倒木から蛇口が突き出ているような幻覚?が見えたり、自分でも危ないと感じ始めました(苦笑)。最終ベンチで本当に最後の大休止。雨の中パッキングを解いて、ハイドラパックを取り出しました。ホースとパックの弛んだところに、100ccほどポカリが残っていました。休憩開始時と出発前の二回に分け飲み干しました。これで完全に水無し状態です。


雨の降りが強くなり、カメラ関係を完全防水し、雨装備で踏ん張ります。しかーし、ゴロゴロと雷が来ました。かなり近くなり始め、音も上からでなく横から聞こえます。ちょうど森林限界を超えるあたりで、高木はこの先無いエリアです。ふと樹林帯の末端の樹木を見ると、まともな木がありません。どれも上半分が、強烈な力によってなぎ倒されています。雪崩などによるものもあるのでしょうが、明らかに落雷した木も目に付きます。ハイマツ帯に出るのは自殺行為に思えたので、樹林帯でやり過ごすことにしました。滑落などは注意していれば避けられるでしょうが、雷様には逆らえません。朝の1時間の出遅れと、チョウチョの道草が、雷様に掴まってしまった大きな原因です。夏山は早立ち早着が基本、完全な自業自得です(^^;



槍がお出迎え
樹林帯から抜けだし、お花畑の中を通り抜け、蝶ヶ岳ヒュッテが見え隠れする頃、槍の穂先がお出迎え。こうなる予定だったのですが・・・(翌日撮影)


雨は強いままですが、雷が遠のいたようなので、稜線まで一気に休み無く?登ります。文字通り、最後のひと踏ん張りと言うやつです。しかし実際には、5~10歩でワンクール(笑)、ザックは歩き始めの倍くらいの重さに感じます。念のため金属製のストックは、樹林帯に置いて(隠して)きました。稜線の避雷針からも離れて歩き、蝶ヶ岳ヒュッテに無事到着。ザーザー降りの中テントを張る気も体力もなく、自炊素泊まり(6000円)をお願いしました。そして水(1L=150円)をがぶ飲みしました。復活!


布団は一人一枚で余裕がありました。まずは一休み~。そして夕食の自炊メニューはα米のちらし寿司&わかめたっぷり入りの料亭の味お味噌汁&アイスレモン。自炊場所を出た所にはベンチがあり、槍穂の展望スポットとなっています。雨も上がりα米が出来上がるまで外に出てみると・・・雲が切れ穂高の壁が眼前に迫っています。槍ももうすぐ顔を出しそう。これを見に来たんだ~♪ これを見るために、あのつらい修行のような道を登ってきたんだ~♪ 夕食は後回しにしカメラを持ち、至福の時を過ごすことが出来ました(^o^)


二日目はまずテントを張り、樹林帯に置いてきたストックを回収しに下り、蝶ヶ岳の稜線を散歩し、蝶槍まで往復しました。分けるまでもないと書きながら、この稜線の模様は、後日別記事にします(^^;
前日ヘロヘロになっているのに意外に元気なのは、もしかしてサプリが効いている? アミノバイタル・プロ3600というものを、登山中は1日に2袋ずつ飲んでいるのです。少し高いけれども、一度飲み始めると止められない、止めるのが怖いというのが実情です(^^;


下山時はハイドレーション2L、予備1Lを持ちましたが、結局足りずに力水で補給しました。予想外ですが、半日で3.5Lほど給水した計算です。飲み過ぎなのかなぁ?
下りというのは、重力に逆らわないので楽なものということが実感できました。靴の中敷き交換、サポートタイツ、ダブルストックを使用し、ドシドシと体重を掛けて歩かないなど歩行に気をつければ膝痛も出ないし、登りに比べれば何ともないものなのですね(ちょっと強がり、疲れました^^;)。最後のオマケの林道歩きがかったるかったです。日帰り温泉施設「ほりでーゆ~四季の郷」(ヒュッテで割引券をもらえます)で、汗を流し仮眠をし、食事まで摂ってまったりして帰ってきました^^



最後に写真を一枚。隣の常念岳も大きな姿を現し、奥には大天井岳もくっきり見えます。
1枚目に載せた静寂のテン場はと言うと、午後にはご覧のような合宿所に変身しました。
賑やかなテン場
マイハウスは学生さんに取り囲まれた状況。当然、槍ヶ岳も見えなくなりました。でも仕方ありませんね。黄色いテントの30人ほどの集団は、三股から上がり翌日に徳沢に下りるだけという軟弱?グループ。テント生活をし、仲間と騒ぐのが楽しい年頃ですね。マイハウスのすぐ隣のオレンジテントの8人組は、槍ヶ岳まで縦走するそうです。しかし朝3時前から普通の声を出しながら準備を始め、叩き起こされてしまいました。早朝、瞑想の丘で撮影していると、早足で常念に向かっていきました。頑張れ若者!
次は夏休みが終わるのをじっと待ってから出かけることにします^^


※撮ってきた風景写真は、順次「きまぐれGallery」で公開しています。
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タグ:テント泊

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