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越冬するトンボ [昆虫:トンボ]


トンボは、卵か幼虫で冬を越す種類がほとんどです。しかし日本産トンボ200種類以上の中で、3種類だけ成虫で越冬する種類がいます。写真のトンボは、そのうちの1種、その名も「ホソミオツネントンボ(細身越年蜻蛉)」です。枝の長さから、エゴノキはお気に入りのようです



最初のトンボは、この写真の左の枝に留まっています。撮っている向きが少し違いますが、どこにいるか分かりますよね。体長3~4cmくらいのイトトンボです



多く見掛けるのは、枝の先端部分に留まるケースです。このままの姿勢で、春になり暖かくなるまでじっとしています。このトンボは寒さにとても強く、雪の中から掘り起こして、しばらく陽当たりの良い所に置くと、動き出し飛べるようになったという観察例もあります



越冬中の個体は、成虫と言ってもまだ未成熟です。色合いが木の枝などに似た淡い褐色をしていて、とても地味です。なかなか小枝と見分けが付きません。春になって成熟すると、ブルーのきれいな色に変身します。
複眼には縞模様が見られ、偽瞳孔もしっかりこちらを向いています



上の個体も、こんな所に留まっています。枝にでも化けたつもりでしょうか。陽当たりがある程度良く、強風が当たらない場所を、越冬場所に選ぶようです



先端だけではなく、枝の途中や蔓の先端などでも越冬します



この写真にはトンボは写っていません、念のため・・・(^^)。こんな枝振りの所で、目を皿のようにして越冬個体を探します。エゴノキなど、トンボの体長と同じ様な長さの枝がある場所では、枝のすべてがトンボに見えてきます。
気温が高い日にはモソモソ動いたり、場合によっては飛ぶ時もあるので、そういう時は発見のチャンスです (大町自然観察園)


※望遠レンズを付けて、同じ所でじっと木を見ていると、散策や探鳥をしている人に「何の鳥がいるのですか?」と声を掛けられます^^;

しかし今回の記事を見ると、地味な色合いで統一されてるなぁ(笑)


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越冬するトンボがいるのですか。
実は今月始め、家に似たようなトンボが紛れ込んでいて、
冬なのに凄く珍しいねと話したことがあったものですから。
もっとも、それがこのトンボかどうかはわりませんが…。
by (2006-12-23 00:34) 

らっこ

越冬するトンボがいるのは、初めて知りました^^;
みねさんには、知らない事を沢山教えてもらいました。
by らっこ (2006-12-23 00:35) 

こんな状態で越冬するのですね。 すごい!
でも、これを見つけるのは大変ですね。
このトンボ、京都にはいないのでしょうか?
いるなら探してみようっと^^
by (2006-12-23 07:43) 

レイン

ホソミオツネントンボ、枝と見分けがつかない姿をしています。枝だけの写真、フェイントですね。
by レイン (2006-12-23 07:49) 

ちゃぱ

枝と同化して敵に見つからないねぅ(^^ゞ
by ちゃぱ (2006-12-23 08:55) 

面白いトンボがいるんですね。初めて見ました。
by (2006-12-23 09:38) 

成虫で越冬するトンボは、初めて知りました、寒い冬餌食べるのだろうか!

それとも冬眠状態かな・・・?

色も保護色になる・・・自然界の不思議ですね、
by (2006-12-23 10:12) 

天女が遊

上手く命名されてますね、その通りって感じですね~
上手く擬態して、敵から逃れてきたからこそ、
今まで子孫を絶やさなで、生き延びてきたのでしょうか?
枝に擬態した?トンボを探していたら此方が越年しそうですね 笑)
by 天女が遊 (2006-12-23 12:08) 

penny

気付かないで通り過ぎてしまいそう。これだけの擬態をよく見つけましたね。
by penny (2006-12-23 12:44) 

CARRERA

いわゆる冬眠ですね。
これなら絶対気が付きません。
それを見つけるみねさんが凄い!
by CARRERA (2006-12-23 15:38) 

それにしても凄いトンボがいるもんです!
ホソミオツネントンボって、漢字なんですね。
by (2006-12-23 17:49) 

りお

ホントに枝みたい!!
上向きポーズがまたいいですね。

↓の記事にコメントしたのですが、消えてしまってますね(^^;)
by りお (2006-12-23 18:04) 

HARU

自然界の不思議ですね。枝の一部になって冬を越す、当然地味で目立たない・・・その生態を知っているみねさんは凄い!!
by HARU (2006-12-23 20:13) 

こんばんは^^
何だかただ可笑しくって・・・みねさんの姿を想像するのも面白いですが、
このトンボたちを見ていると独りでに笑みがこぼれてしまいます^^

何だか一所懸命枝になりきろうとしているみたい・・・
by (2006-12-23 20:50) 

お宝隆

凄いトンボですね!興味を持ってしっかり探さないと見つかりませんね、ただの枝のように見えてしまいます。
by お宝隆 (2006-12-23 21:06) 

みね

☆ 香草 さん、ご訪問ありがとうございます。
12月に会津に出没するトンボでしたら、このトンボかオツネントンボの、どちらかだと思います。オツネントンボは、北海道や東北が主な生息地域ですので、可能性が高いです。
時期的に、越冬場所を探していたのでしょうね^^

☆ らっこ さん、ご訪問ありがとうございます。
私も写真撮影を始めてから、成虫越冬のトンボを知りました。幸い、大町自然観察園にはトンボに詳しい方が居て、いろいろ教えてもらっています。私もまだ、知らないことだらけです^^

☆ 小父蔵 さん、nice!をありがとうございます。

☆ linnea さん、nice!をありがとうございます。

☆ シンナツ さん、ご訪問ありがとうございます。
これを見つけるのに比べたら、速く飛んでいく昆虫を追い掛ける方が簡単です(笑)。
分布域は、本州・四国・九州ですから、京都にも居ますね^^
池などの水辺が近くにあり、斜面などによって風が避けられ、さらに半日ぐらい陽が当たる、林の縁などに居るはずです^^

☆ レイン さん、ご訪問ありがとうございます。
暖かい日には、胴体を上下させたり、時には向きを変えたりしますので、見付けやすくなります。しかし、じっとしていると、本当に枝とそっくりです。見落としている個体が、相当数居るはずです。
枝の写真、やっぱり探してしまいましたか^^;
by みね (2006-12-23 22:42) 

みね

☆ ちゃぱ さん、ご訪問ありがとうございます。
鳥に見付かれば、エサになってしまいます。冬は葉っぱもなく、枝だけなので、こうしてじっとしているのが、一番安全ですね^^

☆ ゆき坊 さん、ご訪問ありがとうございます。
半日ぐらい陽が当たる、強風が直接当たらない、水辺から離れていないなど、条件が限られますので、どこにでも居るという訳ではありませんね。池のある自然公園などには、居るようです^^

☆ ibeei さん、ご訪問ありがとうございます。
暖かい日には、近くに来るエサ(虫)を捕まえて食べるようです。少し飛び回っても、最初に決めた越冬場所に戻って来ます。不思議ですね~。春には全然違う色に変わるので、上手く撮れれば紹介出来るかも知れません^^

☆ 天女が遊 さん、ご訪問ありがとうございます。
名前がオツネン=越年ですからね、そのまんまですね^^
本当にうまい擬態ですよね。何人ものベテラン昆虫ファンの目を欺くのですから、鳥などにも見付からないのでしょうね。
でも何人もで、じっと枯れ木を見つめている姿、想像してみて下さい。ちょっと変かも・・・^^

☆ penny さん、ご訪問ありがとうございます。
普通に見ているだけでは、絶対に見逃します。間違いない(笑)。
先生(私が勝手に呼んでいる)方が見つけて、教えてもらう方が多いです。自分で見つけると、とっても嬉しいです^^

☆ CARRERA さん、ご訪問ありがとうございます。
雨が降ろうが雪が降ろうが、気温が低いと動きません。しかし真冬でも気温が上がると、飛ぶこともあるようです。
散歩している人に、指を指しながら居る場所を教えても、分からない人も居るぐらい、見つけにくいです^^
by みね (2006-12-23 22:43) 

みね

☆ binpaku さん、ご訪問ありがとうございます。
これは細身ですが、普通の越年トンボというのも居ます。トンボの種類は、ほとんど漢字で書くことが出来ます。野鳥の図鑑を見ていたら、鳥も全部、漢字が当てられていて驚いたことがあります^^

☆ りお さん、ご訪問ありがとうございます。
えーっ、コメント消えてしまったのですか、どうもすみません。so-netのお偉いさんに代わって、お詫び申し上げますm(_ _)m

接続がso-netだったので、blogもここで始めたのですが、重いし、メンテやエラーも多いし、未完成品でした。そのくせ機能をアップしようとするから、もう滅茶苦茶ですね。とくにここ数日は、エラーだらけで、自分のページすら開けませんでした。リオさんのコメントも、そのエラーに巻き込まれてしまったのだと思います。本当にごめんなさいネ。
始めてすぐだったら、多分エキブロかFC2に行っていたと思います。実際に両方とも、登録してID持っていますので・・・^^;

☆ HARU さん、ご訪問ありがとうございます。
本当に目立たなくて、見落としているのも多いです。
この観察園には、トンボを研究している方や、毎日昆虫観察している先生方が居て、いろいろ教えてもらっています。昨年は先生達と知り合っていませんでしたので、同じ場所を歩いていても、気にも留めませんでした。持つべきは良き師匠です^^

☆ mimimomo さん、ご訪問ありがとうございます。
私の姿、かなり違和感あると思いますよ(笑)。知らない人が見たら、枯れ木を見上げているだけなのですから・・・^^;
トンボも、自分の体長と同じ位の枝振りの木で、よく発見出来ます。越冬場所も、かなり吟味しているようです。トンボが見付かるまいと必死なのですから、人間が見付けるのが大変でも当然ですね^^

☆ お宝隆 さん、ご訪問ありがとうございます。
本当に色、形、長さなど、枝そっくりですよ。トンボが越冬しそうな条件の所を、重点的に探していきます。まだじっくり見ていないエリアもあるので、新たな発見もあるかも知れません^^
by みね (2006-12-23 22:45) 

littleducks

越冬するトンボがいるとは知りませんでした。我が町では雪が降るので、いないでしょう。
by littleducks (2006-12-23 23:18) 

pi-ro

うわ~名前も聞いたことないです。^^;
すごいトンボが居るもんですね~
どう見ても”木”ですね。
よく見つけるものだと、みねさんにもびっくりでっす!!
by pi-ro (2006-12-23 23:21) 

kone

この状態でじっと越冬するだなんて・・・
トンボさん凄いですっ!
大変な努力ですね♪(*^o^*)
by kone (2006-12-23 23:22) 

響

ほとんど枝と同化してますね。
それを目ざとく見つけるみねさんは凄いです。
どこでそんなの見つけるの?
本当いつも感心します、それに生態をよく知ってますよね。
今回も勉強になりました。
甥っ子に知ったかぶりができそうです。
by (2006-12-24 00:20) 

Nicoli♪

トンボが枝になってる・・。防衛本能があるということ?

先ほど、うちでnice!2000を踏んでくださり、ありがとうございました!
只今、キリ番プレは多忙につきお休み中なのですが、
ココロよりお礼申し上げます♪
by Nicoli♪ (2006-12-24 01:33) 

ひろきん

凄い格好で枝にとまっていますね~
体操選手みたい^^
by ひろきん (2006-12-24 07:14) 

関西弁のオジサン

越冬トンボですか?すごいな!!!
枯れ木を探して、蜻蛉を探します。それにしても複眼?ですね。
by 関西弁のオジサン (2006-12-24 12:43) 

不思議なトンボですね。越冬するトンボなんて初めて聞きました。小枝みたいです。
by (2006-12-25 00:44) 

みね

☆ 八王子のおじさん さん、nice!をありがとうございます。

☆ littleducks さん、ご訪問ありがとうございます。
このトンボは、尾瀬にも生息しています。ということは、付近で越冬しているということになります。雪に埋もれない所を選んで、越冬しているのでしょう。
これと違いますが、オツネントンボという成虫越冬する種類は、東北と北海道に、主に生息していますヨ^^

☆ pi-ro さん、ご訪問ありがとうございます。
本当によく化けていますよね^^
日本のトンボは、発見されているだけでも200種類以上います。図鑑を眺めていると、見たことが無い種類がほとんどです^^;
変わった生態のものも、いろいろ居ます。近場で見られるのが、この種類と、以前紹介した木に卵を産むオオアオイトトンボです。

☆ kone さん、ご訪問ありがとうございます。
強風が吹いている時、風見鶏のように、風下側に向きを変えていました。動くと言ってもその程度です。冬の間、ずっとですから、大変な労力ですね^^

☆ 響 さん、ご訪問ありがとうございます。
毎回トンボ探しをしていると、かなり目が慣れてきました。肉眼でそれらしい枝を見つけ、カメラの望遠レンズで確認しています。
生態については、観察園にトンボ先生と昆虫先生が居るのです。いろいろ教えてもらっています。またトンボと蝶に関しては、少しいい図鑑をおごってしまいました^^;
by みね (2006-12-25 04:01) 

みね

☆ Nicoli♪ さん、ご訪問ありがとうございます。
2000nice! おめでとうございます(^o^)/
気付きませんで、失礼致しました。これからも頑張って下さいね♪
このトンボ、鳥などの天敵に襲われないように、枝になり切っているのでしょうね。葉っぱが無いので、こういう形でしか隠れる方法が無いのでしょう^^

☆ ひろきん さん、ご訪問ありがとうございます。
本当に体操選手みたいですね。相当な腕力です(笑)。
この枝の形、見覚えありません? ひろきん さんのお庭にもある、エゴノキなのです。いろいろな木がある中で、何故かエゴノキに付く個体が多いのです。枝の太さ、小枝の長さなど、自分と同じ様な太さ、長さの木を、トンボ自ら選んでいるようです。
越冬が終わったら、交尾・産卵が控えているので、水場が近くにないと越冬はしません。もし、ひろきん さんのご近所に池などがあれば、ひょっとすると、居るかも知れませんよ^^

☆ kaya さん、ご訪問ありがとうございます。
他のトンボは、卵かヤゴで冬を越すのに、このトンボは、夏から秋に羽化してしまうのです。少し季節が他のトンボとずれています。
そして他のトンボが孵化したり羽化し始める頃に成熟し、交尾、産卵をするのです。どうしてこのような道を選んでしまったのでしょうね。他との競合を避けるためでしょうか。不思議ですね^^

☆ こけもも: さん、ご訪問ありがとうございます。
私も越冬するトンボなんて、最近まで知りませんでした。昆虫の写真を撮り始めて、調べたり、教えてもらったりで、今でも新たな発見だらけです。写真を始めて、本当に良かったです^^
by みね (2006-12-25 04:02) 

徳利道楽

土曜日に名札近くのホソミオツネンを探したら直ぐに見つかりました。
by 徳利道楽 (2006-12-26 21:12) 

みね

☆ 徳利道楽 さん、ご訪問ありがとうございます。
居ましたか、良かったです。向きが変わったりしていますけれども、あそこを越冬場所に決めたみたいですね(^^)
この大雨で、またどこかに飛んで行ってしまわないか、少し心配ですけれども・・・。
by みね (2006-12-26 23:10) 

春分

モノサシトンボ?とか思ってましたらホソミオツネントンボ何ですか。
以前庭で見たモノサシトンボのようなやつもそうだったのかも。
何にせよ、このような観察はいいですね。通な感じが致します。
by 春分 (2006-12-27 18:25) 

みね

☆ 春分 さん、ご訪問ありがとうございます。
モノサシトンボも、節に模様がありますね。冬場にご覧になったとしたら、このホソミオツネントンボかも知れませんね。
観察していてとても楽しいです(^^)。自然の中で昆虫の観察が出来る環境、後生の子供達も楽しめる環境を、残していかなくてはいけないと思うようになりました^^
by みね (2006-12-27 21:11) 

みね

☆ stratcrazy さん、nice!をありがとうございます。
by みね (2007-04-15 10:43) 

北海道の田舎者

雪の多いこの北海道でも糸トンボは越冬できるのですか?
4月上旬に、子供達が糸トンボを見つけました。次の日は雪になり、糸トンボの安否が心配でしたが、そのトンボは越冬トンボだったんでしょうか?だとしたら、雪の中でも生きて行けますよね。
by 北海道の田舎者 (2007-05-10 09:23) 

みね

☆ 北海道の田舎者 さん、ご訪問ありがとうございます。
コメント見付けるのが遅れ、お返事が遅くなったこと、お許しください。
北海道にも越冬するトンボが居ます。この記事のホソミオツネントンボではありませんが、寒冷に強いオツネントンボ(越年蜻蛉)という種類です。
越冬と言っても、動物の冬眠とは違い、条件が良ければ飛んだりエサを捕ったりします。寒くなれば、また越冬体勢にはいるだけです。ご覧になったトンボ(おそらくオツネントンボ)も、越冬終了間近の暖かい日に、エサを捕るために動いていたものと思われます。
越冬場所は、雨風を避けられる所を吟味しますので、悪条件でも耐えられます。雪が降っても、越冬場所に戻れさえすれば、問題なく生き延びられます。完全に越冬を終了するまでは、越冬場所からあまり離れませんので、多分戻っていることでしょう。
雪の中から掘り出されたトンボが、暖かい所に放置したところ、動き始めた例もあります。体の造りも、蝶などに比べ、寒さに耐えられるようです。ご安心ください(^^)
by みね (2007-05-18 02:05) 

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